Award Honorees

受賞者紹介

第27回
ボランティア・スピリット・
アワード受賞者

文部科学大臣賞 
中学生部門
  • 福島県
    南会津郡只見町立只見中学校
    角田 杏

    豪雨災害で復旧困難といわれていたにもかかわらず、JRと福島県、会津の市町村が協力して奇跡の復旧を成し遂げ、11年ぶりの運転再開を果たした地域の宝「JR只見線」を応援する活動をしている。只見線を盛り上げる楽しい企画を考えながら、定期的に只見駅で横断幕・シャボン玉・お手振りなどでお出迎えを行っている。また現在は、福島県内外の子どもたちが只見線を考える日本初の会議「只見線こども会議」を企画中だ。活動当初は家族の協力のもと1人で進めていたが、現在は5人の仲間と一緒に活動している。

文部科学大臣賞 
高校生部門
  • 東京都
    学校法人明星学苑明星
    中学・高等学校
    日本応急手当普及員協議会

    応急手当普及員の資格を取得した際、実際にAEDに触れる機会が少ないことや、そもそもAEDの設置台数が少ないことなどを知り、どうしたら改善することができるのかを考え、2022年8 月に日本応急手当普及員協議会を設立した。 AEDの普及活動のほか、心肺蘇生教育に関する研究、応急手当普及員制度の見直しに向けた国会超党派応急手当普及推進議員連盟の発足、さらには学校教育における心肺蘇生教育の充実化に向けた文部科学省及び総務省消防庁を含めた意見交換会の開催など、多岐にわたって活動している。

米国ボランティア
親善大使
  • 岡山県
    井原市立高等学校
    仁城 ひなた

    定時制高校に入学し、生活のために働く高校生と出会った。彼らの食生活は家庭環境や経済力などが原因で、決して健康的とはいえない。そこで健康的なご飯を食べられないままアルバイトに向かう自校の生徒に向けて、学校で昼食を作り、無料で配る活動を始めた。資金調達も並行して行い、継続的な実施を目指している。夏休みには自らの貯金で海外ボランティアに挑戦し、自給自足の生活や食事を大切にする文化を学んだ。そのプログラムには少数民族の村でのステイや学校での教育活動もあり、新たな視点が生まれた。

米国ボランティア
親善大使

社員賞
(Employees’
Choice Award)
  • 茨城県
    茨城県立土浦第一高等学校
    八牧 美羽

    がんで入院している子どものなかには、治療のためのカテーテルの一部が体外に出ており、皮膚のトラブルが起きたり自分で抜いてしまったりすることがある。それを予防する商品がないため、子どもたちが安全かつ快適に入院生活を送れるよう、ユニバーサルファッションとSDGsの観点を取り入れたカテーテルケースを製作した。2020年4月から2023年7月の間に病院に寄付したカテーテルケースは120個を超えた。また、レモネードスタンド活動を通して、販売収益金を小児がんの治療研究費として寄付する活動も行った。

全国賞 
中学生部門
  • 埼玉県
    さいたま市立植竹中学校
    ユースボランティアサービス部

    活動の目標は「特別支援学級の仲間たちでも、誰かのために行動することができ、誰かの役に立つことができる」ということだ。具体的には学校で出る不要紙を用いたサステナブルバッグの作製をしたり、毎週水曜日に地域のゴミ拾いを行っている。この2つが活動の中心だが、他にも地域の人たちとの交流作品展やグリーンカーテン、コンタクトレンズケースの回収なども実施。昨年度の終わり頃からは学校内で古本の回収を行い、回収した本を近所の就労支援施設に運搬するというボランティアにも取り組み始めた。

  • 東京都
    サレジアン国際学園中学校高等学校
    松尾 栞奈

    小学3年生の頃から動物の保護活動を始め、生活に困っている方々に自分で作ったお弁当を配って今年で3年になる。少しでも安全な所で眠ってもらえるように路上生活脱却のお手伝いや、再就職支援などは社会福祉協議会と連携して実施。子どもホスピスのための募金活動やイベント企画(SMILE LETTERプロジェクト)の学生団体を立ち上げ、日本語学習支援、老人ホーム訪問、小学校などでの「命の授業」講演活動も実施。「人は人で変われること、諦めなければ何度でも何歳になってもチャレンジできる」ことを学んだ。

  • 東京都
    聖学院中学校
    ヤンゴンかるたプロジェクト

    自分たちはミャンマーでクーデターを経験し、日本に帰国した中高生を中心としたグループだ。クラウドファンディングで資金を集め、ミャンマーで暮らした2年間に現地で撮影した写真を使って日本の伝統遊戯である「カルタ」を制作している。目的はミャンマーの文化やそこで生きる人々の命のストーリーを伝えるとともに、クーデターで奪われた日常や教育について、国際問題を自分事として捉えていない多くの日本の人々に問いかけることだ。小中学校や、地域の国際センターなどでイベントを行い、取り組みは全国に広がっている。

  • 熊本県
    熊本学園大学付属中学校
    花田塾

    友人の出身地である牛深には塾が少なく、受験勉強などに苦労したということを聞いて、勉強格差を無くすことを目指し、牛深の学童の子どもたちに勉強を教えに行った。勉強格差をなくしたいというのは最終目標であり、まずは勉強の楽しさを伝えることが必要だと考えた。勉強を好きになってくれるように、しっかり勉強しつつも周りの子たちと楽しめるよう、教える雰囲気にも工夫した。どのような教え方をすると子どもたちは興味を持ってくれるのかということを学んだり、学童の子どもたちから自分たちが教えられることも多くあった。

全国賞 
高校生部門
  • 宮城県
    宮城県農業高等学校
    河東田 彩花

    2019年10月、宮城県に甚大な被害を及ぼした台風第19号により、川は氾濫して濁流が地元を襲った。その際、避難所で配布されたのはおにぎりと水だけで、東日本大震災から災害食は何一つ変わっていないのが実情だった。そこで自分たちは栄養があって心も温まる災害食を振る舞いたいと考え、企業と連携して甘酒をベースとした被災地の食材を使用したスープを商品開発した。フリーズドライ商品として2022年10月から2万個を東北全土のスーパー等で販売し、軽くて水でもお湯でも食べられる災害食を広めることができた。

  • 栃木県
    栃木県立佐野高等学校
    栗原 杏奈

    春に病気が分かり入院生活で学校に行けず、病院の中にある学校に所属したことで、病院の中に学校に行けない子のための学校があると知った。入院でさまざまな事が制限されるなかでも、何か楽しみがあれば辛い治療や生きる気持ちの支えになるなら楽しみをプレゼントしたいと考え、夏祭りを企画して開催した。その後、障がい者施設や他の児童施設でも夏祭りを開催。また小学4年生からフードロスへの取り組みも行っており、貧困の小学生を受入れている施設にフードロスの果物を使ったデザートをプレゼントしている。

  • 奈良県
    奈良県立商業高等学校
    桜プロジェクト

    地域コミュニティの再生と異世代交流をテーマに、地域活性化に取り組むため、学校の近くにある桜井市立図書館で『未完成カフェ+(プラス)』を本5月から毎月1回、定期的に開催している。図書館の研修室や通路、野外スペースをお借りして、カフェ、ワークショップ、販売の3部門でブースを展開。生活の中の小さな「あったらいいな」を図書館に取り入れることで、図書館が地域のプラットフォームとしてコミュニティを育む場になり、またさまざまな年代の方が集える場となることに貢献したいと考えて取り組んでいる。

  • 兵庫県
    マリスト・ブラザーズ・
    インターナショナルスクール
    ラニー ミシェル愛

    神戸市西区で無農薬のじゃがいもを育成・収穫し、それらを関西圏の団体に寄付する「ポテトプロジェクト」を行っている。きっかけは安全で安心なじゃがいもを栽培したかったからだ。また地球にとって持続可能な栽培方法は無農薬だと考え、無農薬にこだわって栽培している。今年3月に植えたじゃがいもを夏に計120kg収穫し、55kgを学校や2カ所のホームレスの方々への炊き出しに、また2カ所の子ども食堂や「チャイルド・ケモ・ハウス」に寄付した。さらに9月にはじゃがいもではなく100kgのさつまいもを収穫し、それも寄付した。